ホテルの部屋のドアを開け、彼に先に 入るよう目で促す。 彼が、ベッドのある部屋へ入ったのを 確認し、音を立てないように鍵を閉めた。 「さっきから、様子がおかしいけど… 何か気に障るようなことしたかな?」 自分に非があることすらわかっていない 様子に、呆れて笑ってしまう。 「…おかしいのは、 あなたのほうでしょう?」 しんと静まりかえった部屋に、 私の低く冷たい声が響く。 彼は、眉間に皺を寄せて考え込んでいる。