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「そういえば、自己紹介してなかった
 ですよね?
 僕の名前は藤堂 万咲 (トウドウ マサキ)
 と言います。
 職業はTOHDOという会社で
 社長補佐ということで働いています」


そんなこともう既に知っている。


「とても大きな会社ですよね。
 社長補佐ということは…
 次期社長ですか?」


「そういうことになりますね。
 父のように組織を束ねる力は
 僕には皆無ですが…」


彼は一瞬落ち込んだ様子を見せた。


「引っ張ろうとかまとめようとか
 考えなくていいと思います。
 お父様も他のあなたの良さを見て
 社長を任せようと思ったのでは
 ないでしょうか…?」


何故こんなにも親身になって
発言してしまうのだろう。

私にとって会社のことなんて
どうでもいいことで、
むしろ悪い方向にいくことを
望んでいるのに。
 
彼は驚いた表情で私を見た。 


「…ごめんなさい。また偉そうに」


「いえ…あなたの話を聞いて
 リーダーシップとは人それぞれ
 だなと考えられさせました。

 僕なりのリーダーシップを
 見つけなければなりませんね。

 僕の周りには、何を意見しようと
 肯定する人間しかいないから…
 あなたのように意見してくれる方との
 出会いは貴重なんです」


彼は嬉しそうに微笑んだ。