まず目に入ったものは天井に飾られた
大きなシャンデリアだった。
ガラスの蝋燭の灯りが
あなたにここは場違いよと、
装飾品達と一緒に私を
睨みつけながら部屋を照らしていた。
ワインレッドの壁には外国のふくよかな
美しい女性が裸の赤ん坊を抱いて、
愛が溢れた微笑みを浮かべている絵画が
飾られている。
「お席へどうぞ」
店員に促されて、座り心地が良さそうな
アンティーク調の椅子へ歩いた。
脚を運ぶたびに黒い大理石に
パンプスが当たる音が部屋に
響き渡る。
腰掛けると長方形のテーブルが
目に入った。
茶色のアンティークの机は
真ん中が正方形にくり抜かれており
ガラスの天板との間に
造花の赤い薔薇が飾られている。
目線を上げると御曹司と視線がぶつかる。
