ふと時計を見ると約束の時間が
迫っている。
自宅に戻り、着替えて約束の場所へ
向かうつもりだったけれど、
間に合いそうにないため断念した。
カフェでは仕事上ということで
会話する事ができた。
でもふたりきりで食事となると
会話ができるだろうか…?
お通夜状態になってしまうのでは
ないかと不安が募る。
急いでカフェのエプロンを外し
荷物を取り、お手洗いの鏡で
身だしなみを整えてカフェの
入口へ向かう。
ドアの側にマリーが座っていた。
私が帰る夜には外にいることが
多いため珍しい光景だった。
「マリー、お見送りしてくれるの?」
そう言ってマリーに手を伸ばしたその時。
「痛っ!!!」
人差し指を思いっきり引っ掻かれた。
シャーッ
背中を丸めて、まるで天井から吊り下げ
られているかのように、真っ直ぐに
毛を逆立ててこちらを睨んでいる。
