23時41分6秒




また気まずい沈黙が訪れるが
御曹司は気にせず珈琲を
ゆっくりと味わっていた。


カップを揺らして香りを楽しんだり
かなり珈琲を気に入った様子だった。


それを横目で見ながら私も少し
冷たくなったコーヒーに口をつける。


最後のひと口を飲み終えた彼は
静かにカップを置き、ゆっくりと
私の方を向こうとしたその時。


いつのまにか彼の側にマリーが
現れてカップに添えられた手に
何度も顔を擦りつけている。


一瞬目を丸くして驚いた表情を
見せたがすぐに目尻を下げ
マリーの背中に優しく触れた。


背中を撫でられる度にマリーは
うっとりとした表情で彼を見上げると
彼も頬を緩めた。


私には絶対に見せない表情だ。