時雨は中学三年生の冬を迎えた。

その日はいつものように
学校から帰宅した後、
塾で勉強をしていた。

この時期は、来年高校受験を控えた
大切な時期だった。


ープルルルルップルルルルッ



そのとき、携帯から母の電話があった。
けれど塾で携帯の電源を切っていた時雨は、
当然その電話に出ることはなかった。