「菜穂ちゃん一緒に食べよーっ!」
「ちょっと芽衣!菜穂まだ帰ってきたばっかり…」
「いいよ芽衣、少し待ってね」
「はーいっ!」
申し訳なさそうな結花ちゃんに
微笑みながら頷いて、手を洗って部屋着に着替える。
結花ちゃんと芽衣は、わたしが病院に運ばれてすぐお見舞いに駆けつけてくれていた。
…わたしはその時まだ目が覚めていなかったから
直接お礼を言うことは出来なかったのだけれど。
「芽衣知ってるよ!菜穂ちゃんが好きなのチョコだもんね!」
「そう!すごいね芽衣。ありがとう」
「えへへーっ!」
結花ちゃんはよく、元気すぎる芽衣の性格は
伯母であるお母さんから来てるんじゃないかって笑いながら言う。…ちょっと分かる。
でもそしたらお母さんは決まって
“小さい頃の菜穂は私にそっくりだった”って言うんだ。
……どう考えてもそれは違うと思うんだけど。