麗ちゃんと暦先輩の話の続きを聞くことなく 迷わずに足を進めた。 「…そうだよね…」 …そりゃそうだ。 あんなに可愛らしい人に敵うはずもない。 わたしの波の無い音で紡いだ呟きが、乾いた空気にただ融けていく。 教室では神谷くんと香月くんがもうお昼を食べている。 …パンは食べたいものが無かったとでも言っておこう。 笑顔でいなくちゃ。…笑顔で。 わたしと彼のヒミツは、もう終焉を迎えるのだと理解した。