麗ちゃんはいつだって

わたしには、優しい笑顔を向けてくれた。


今だってそう。

そう、なのに。


（…っ…）



瞳の奥に冷たいものを宿して

貼られたようなその笑顔に、重たい胸騒ぎがした。


後ろに居る神谷くんや香月くんは、一体どんな表情をしているのだろうという思いと

振り向くわけにはいかない事実が葛藤のもやを生む。


なんとなく、けれど確実であることを感じた。


麗ちゃんや会長たちの過去にある「何か」と

ステージで脚光という眩しいものを浴びる「彼女」は


きっと、繋がっている。