今、考えてみると分かるけど…
分かってあげられることなんて出来なかったから……




誠実が私のことを好きだって、
知り尽くしてくれていたからなんだよね…。






誠実は、
寒くて震わせた身体を抱きしめてくれた。





『暖かい〜優しい〜…』

『まあまあ…。恥ずかしいんだけど…』



そのふたりの姿を見て、阿佐くんがその影に隠れていたんだよね…。



ごめんね…阿佐くん。


ありがとう…誠実。





誠実が彼氏だったら……

そう思わせてくれる存在だったのは間違いない。



そう思いながらいた…
高校1年の真冬__





そのあとから少しずつだけど、
ふたりの距離は縮まりつつあった…。