キミは当て馬、わたしはモブ。




「え、あの、別に変な意味じゃなくて……!」


「だ、大丈夫! わかってるから!」



 慌てて肩から手を離すと、中村くんもわたしから距離を取った。


 い、今の何? なんでわたし、自ら解釈違い起こしてるの。


 お互い照れ笑いをし合って、なんとも言えない空気が流れる。



「見てるからね……」



 それを、じと……っと半目で面白くなさそうに見つめるアカネちゃん。


 わたしと中村くんの間に割り込んでくると、ぎゅっとわたしの腕に抱きついてきた。



「なんてうらやましい……」



 後ろでは帝塚くんがなんかブツブツ言っている。



「そうやってすぐに勘違いして、簡単に恋しちゃうんだね、優斗って」


「はっ!? おまえはなんでいつもそういうこと言うんだよ! 佐久良さんに失礼だろ!」


「佐久良さん佐久良さんって……ちょっと好みだからって優しくしてさ」


「ちょっ……アカネ!? だから、おまえのそういうところが……っ!」


「約束したじゃん……!」



 アカネちゃんは、必死にわたしにしがみつきながら、中村くんに大声を上げる。



「あたしに彼氏ができるまで恋人は作らないって、言ってくれたじゃん……っ!」



 ……え?


 わたしは、これが夢なんじゃないかと疑った。


 だって、アカネちゃんから出た言葉はどう考えたって――中村くんに対する、独占欲にしか聞こえなかったからだ。