この人、友達は冗談を言い合うものだと勘違いでもしてるんじゃないだろうか。
それにしてはいくらなんでもひどすぎる。
わたしが男子の力に叶うわけがなく、いくら取り外そうとしても手枷は外れなかった。
こうなったら……。
「いたっ……」
「! すみません、つい熱が入りすぎてしまって……」
ぱっと手枷が……もとい、帝塚くんの手がわたしの腕から離れた。
ま、全然痛くなかったけどね。
「反省した?」
「はい……。今度反省文を二枚以上書いて持ってきます」
「そこまではしなくていい」
反省したならいいんだよ。わたしもそこまで鬼じゃない。
わたしが帰る意志をなくしたのがわかって、帝塚くんは見るからに安堵していた。
……そんなにわたしにいてほしいなら、怒らせるようなことをしなかったらいいのに。
「……帝塚くんのその、真面目に聞いてるのに冗談言うのって、なんで?」
「あ……それは」
「とっても嫌な気分になったんだけど、何か理由があるなら聞いてあげる」
帝塚くんは黙り込んだ。握り拳がその言いづらさを表している。
わたしは待つよ。そうやって黙られたら、余計気になっちゃう。
「―――つ、つまらなくないですか? 俺って」
「えっ」
「今まで友達なんて必要なかったので、勉強だけしてきました。でも、志望校に落ちてから、周りの環境が勉強だけじゃ通用できなくなってしまったんです。だから、今までの俺を変えないとと、思ったのですが……」



