キミは当て馬、わたしはモブ。



 ここにいる誰も、状況を理解していない。


 帝塚くんが一番理解しないといけないのに、一番理解してない顔だった。



「……間違えました」



 ぼそりと訴える帝塚くん。


 ……普通のチケットとペアチケットを?


 そ、そんなことありえるわけ……あるんだね。


 言い訳は後で聞くとして、不安そうにチケットを返そうとしてるアカネちゃんには何か言った方がいいと思うな?



「いえ、なんでもないです。行きましょう、四人で」



 自分のミスを受け止めるんだね。


 アカネちゃんがパァッと明るくなる。


 ここで、「わたしは行くって言ってないけど」なんて言えるわけないよね。


 行きたくないけど……。なんでわたしがわざわざ帝塚くんのデートに付いていかなきゃいけないんだろう。



「え、行きたくない……」



 帝塚くんの事情を知っている中村くんもそんな風にこぼしていた。いや、そうだよね。わたし達邪魔者すぎるもんね。



「ええー!? 帝塚くんがせっかくくれたんだよ!?」



 アカネちゃん、言ってることは正しいよ、正しいんだけどね……。


 ね……中村くん……。


 わたしと中村くんは顔を見合わせる。目を細めて、眉間にしわを寄せて、すっごく嫌そうな顔をしている。きっとわたしも同じような顔だ。


 帝塚くん、キミのたまに出るポンコツな部分、ぜっっったい治した方がいい!