キミは当て馬、わたしはモブ。



 わたしと同じような態度でアカネちゃんに絡んでたら、さすがに手出しするかもしれない。


 帝塚くん、わたしの怒りを買わないように、穏便に済ませてよね。



「ただいま~」



 と、そこに笑顔で帰ってきたアカネちゃんにほっとする。


 後ろに付いている帝塚くんも特に変な様子はない。


 ……でも、喜んでる様子もないな?


 なんか気になる……けど、わざわざ聞くのもなぁ。


 勝手にペラペラ自分から話し出さないかな。


 期待を寄せて帝塚くんを見上げる。案の定不思議そうにパチパチとまばたきをされただけだった。


 まぁ……そうだよね。わたしたち、アイコンタクトできるような仲じゃないし。そもそも、なんでもわたしに話してくれるわけでもないし。


 話すほどのことでもないってことかもしれない。


 
「見て、帝塚くんから水族館のチケットもらったの! みんなでいこーよ!」



 でも、アカネちゃんを見れば何があったのか大体わかるようになっていた。チケット入れを二枚掲げて、わたしと中村くんに見せつけてくる。


 にこにこ笑うアカネちゃんに、「えっ?」と驚いた声を出す帝塚くん。



「……みんな?」


「えっ? なんかまずかった? だってこのチケット、二つともペアチケットだったから……てっきり」



 ほら、とアカネちゃんが中のチケットを取り出すと、全部で四枚のチケットが現れる。



「……ペア、チケット……?」



 えっ、なにその初耳ですみたいな顔。


 帝塚くんが買ったんだよね?