キミは当て馬、わたしはモブ。



 仲間に入れてもらって、お弁当を食べ始める。


 多少は居心地が悪いものかと思ったけど、全然そんなことはなかった。


 アカネちゃんもアカネちゃんの友達も、わたしを会話の輪の中に入れてくれて、普通に楽しい。


 ただ、これが推しカプじゃなかったらなぁ……なんていう思考が、友達としての弊害になっちゃうんだよね……。



「アカネ、数学の宿題やった?」



 もやもやを抱えたまま、アカネちゃんの友達の言葉に耳を傾ける。


 アカネちゃんは口元に持っていっていた箸から、ポトリとミートボールを落としていた。



「……ナニソレ?」


「えっ、やばくない? 今日アカネ当たるでしょ」


「えーっ! 待って待って、今からやる!」



 ゴソゴソと机の中を探し出すアカネちゃん。



「……ん? なにこれ」



 そう言ってアカネちゃんが取り出したのは、白い封筒。


 首を傾げながらも、躊躇うことなく中身を出して読み上げ始める。



「『放課後この場所に来てください。さもなくばあなたに不幸が降りかかるでしょう。』……?」



 今どきする人いるんだ、そんな不幸の手紙みたいなこと……。



「んー? まぁいいや、それより宿題宿題!」



 雑に机に置かれた手紙は、教室に漂う空気の流れに呆気なく舞い落ちていた。