キミは当て馬、わたしはモブ。



 今日一日は気分が良い気がするから、ちょっとだけ帝塚くんの話も付き合ってあげていいかな。


 どうせまた佐久良佐久良ってわたしを呼ぶはず……。


 ……。


 ………。


 ……あれ?


 もう昼休みになったんだけど?


 今日は友達が週に一回彼氏と一緒にご飯を食べる日だ。


 つまり、他のグループに入れてもらわないと、ボッチ飯だ。


 あれれ? どうせ帝塚くんが来るだろうと思って、誰にも声かけてないよ。


 帝塚くんは……一人で教室を出ようとしていた。財布を持ってるから、購買に行くのかな。


 どうしよう。声かけてみようかな……。


 ハッ、待って! これって、押してダメなら引いてみろ作戦?


 え、いや……帝塚くんにそんなこと考える発想力があるかな? やる意味もよくわからないし。


 ああもう、どうするんだわたし!



「佐久良さん、もしかしてひとり?」



 ぴょこっと横から飛び出てきた、可愛いの具現化。


 別名、辻アカネちゃん。


 ちょっとつり上がった大きな目に、パーマがかったショートカット。カーディガンの萌え袖はまさに男を虜にする兵器だ。


 逆になんで彼氏いないの……?