キミは当て馬、わたしはモブ。



 最後の一口を咀嚼(そしゃく)しながら、一足先に食べ終えた優斗の突き刺すような視線に耐える。


 あたしは覚悟を決めて、ゴクンと飲み込んだ。



「で?」



 直後に優斗が低い声を出す。少しの間も与えてくれない。


 でもあたしは逃げないよ!


 テーブルに身を乗り出して、優斗の目を見つめ返す。


 一瞬、優斗がひるんだ様子を見せたとこに隙を突いて、



「あのね、優斗があたしにドキドキした要素ってどこだったの!?」


「……はっ?」



 突いたのは意表だったみたいで、これまでの怖い顔が嘘みたいに消えた。


 優斗から視線が逸らされる。



「だ、だからそれは、してないって……」


「お願い! 教えて!」



 食い下がるあたし。無意識に体の半分がテーブルに乗っかっていた。優斗は引いている。



「……僕の意見なんて聞いても」


「ううん! いっちばん大事! 優斗の意見しか大事じゃないよ!」


「いや、それは言い過ぎだろ」



 言い過ぎじゃないんだなこれが!


 恋する女子なめんな!


 ようやくあたしの威圧に負けて、優斗が下を向きながら小さくこぼす。



「…………顔が」


「顔?」


「表情が……よかったと、思う」



 ひょ……表情?