キミは当て馬、わたしはモブ。



 やっぱり今日の優斗、総合的に見て機嫌が悪い気がする。


 無視するとか、露骨な態度を取らないっていうのがたちの悪いところだ。優斗が大人だともいえるけど。



「お、美味しいね、優斗?」


「うん」



 こんなに美味しいアイスを堪能しても元気になってくれないなんて。


 ショッピングモールのフードコート。向かいの席に座りながら、気まずい空気を過ごす。



「ていうか話って何?」


「とりあえずこれ食べ終わってからにしない!?」



 だってさっきからこればっかり言ってくるんだもん!


 ちょっとはあたしとの時間を楽しんでくれたっていいのに!



「は? さっきは座ってからって言っただろ」


「アイスだから、先に食べないと溶けちゃうよ!」



 そう言ってあたしはアイスを食べた。これ以上喋らないようにしたいからっていう意味もある。


 優斗も仏頂面のまま同じようにアイスを口に運ぶ。


 でもあたしのことを疑わしそうにしてすぐに、



「なんか先延ばしにしてない?」


「んーん!?」



 そんなことないよ!? と動作で伝えるために全力で首を横に振る。


 たとえ嘘だとバレていたとしても、ここまで連れてきたらこっちのもんだ。


 あたしはなるべくゆっくり食べて、時間を稼いだ。


 食べ終わったらまた聞かれる。なんて言うか考えておかないと……。