キミは当て馬、わたしはモブ。



 冗談だよって言おうとしたら、優斗が先に口を開いた。



「気になるっていうか……」



 机の上で拳を強く握っている。


 その拳を一点に見つめて、ようやくあたしに届くくらいの音量でぼそぼそと話す。


 優斗……?



「……諦めなくていいんじゃないかって、思っただけ」



 言い終わると、優斗は逃げるように席を立った。



「ど、どこ行くのっ?」


「トイレ」



 あ、ついて行けないとこだ。優斗め、言い逃げか~?


 優斗の姿が見えなくなったのを確認して、机にだらしなく倒れ込む。


 はぁ~っ、あたし、頑張った……!


 結構攻めた、つもりだったんだけど。優斗の反応はよくわからなかった。


 一応は、気にしてくれてるってことでいいんだよね?


 前の席では、和花ちゃんと帝塚くんが楽しそうに会話していた。


 なんでだろう。ただ会話してるだけなのに、空気が甘いんだよね……。


 あたしと優斗じゃ、まだまだ到達できない世界。あんな風になれたらなぁ。


 ……よし。優斗と言うとおり、諦めない!


 今さらそういう関係になるのは難しいってことくらい、わかってるもんね!