キミは当て馬、わたしはモブ。



 そのとき、わたしのスマホが震えた。


 甘い雰囲気を過剰摂取しすぎてクラクラしてきていたわたしにはちょうどいい逃げ道で、すぐにベッドから脱出して手に取る。


 ラインだ。――アカネちゃんから。



『今度優斗とどっか行きたいんだけど、和花ちゃんも付いていてくれない? もちろん帝塚くんも一緒に!』



 Wデートのお誘いだった。


 どう返事をしようか文章を考えていると、後ろから帝塚くんが覗き込んでくる。



「また今度が増えましたね」



 と、耳元ささやいて。


 この数分でわたしのパブロフの犬っぷりは加速していて、帝塚くんの吐息を感じるだけでも胸が締め付けられてしまった。


 う、ほんとに、やばい。


 わたしが全然、満足できてない。


 今度。また今度。……今度って、すぐ来るかな。



「は、早いとこ予定決めちゃおうか」


「そうですね」



 アカネちゃんに承諾の返事をする。嬉しそうなスタンプが送られてきた。



「今度って、いいですね。また次があるって思えて」



 帝塚くんがそう言うのを聞いて、なるほどと思う。


 今度っていうのは、続きがあるって証明なんだ。


 だからわたし、こんなに楽しみにしてるんだ。