キミは当て馬、わたしはモブ。



 顔背けると、頬を掴まれて戻された。


 がっちり固まって、もう首が動かせない。逃がさないという執念を感じる。


 顔じゃなくて今度は目を逸らしてみると、グッと顔の距離を縮めてきた。



「佐久良、何をしましょうか?」


「ちっ、近いってば! ……て、帝塚くんは、何もないわけ!?」



 わたしから言うの、恥ずかしいのわからないのかな。


 帝塚くんだったら表情を変えないで言えるんだし、そっちから求めてくれれば拒否しないのに。


 それも含めて意地悪されてるのはわかるけどさ……。



「ないわけはないんですが……いいんですか?」


「……え?」


「全部、しちゃいますよ」


「ぜっ……」



 全部!?


 全部って、何!?


 どこから、どこまで!?



「一応聞いてみるけど……全部って、どんなことするつもりなの?」


「知りたいですか?」


「い、一応ね?」


「内緒です」



 こ、こいつ……っ! 変に含み持たせやがって!


 そうやって隠されると、逆に想像力がかき立てられちゃって……最悪だ、わたしの想像力が高いばっかりに!


 具体的なことは何も言われていないのにもかかわらず、かあっと体が熱くなってきた。