そんなの無理に決まってるけど……。
言えば解決するかもしれないわけで……。
「あの、お兄ちゃん……?」
そっと声をかけてみる。
だけど、お兄ちゃんはツンとしてこっちを見てくれない。
その反応を見て、帝塚くんは眼鏡のズレを片手で直す。
「聞き入れる気はないんですね。じゃあプレゼンの続きをすることにします。はい第二位、俺の悪いところをはっきり言ってくれるところ」
「ぐああああああああ! 続けるなああああああああ!」
「はっきりと何がダメなのかを言ってくれるところが、いつも助かっています。あんな風に言ってくれる人は、初めてだったので……っ」
「頬を染めるなあああああああああああ」
大声を出し終わったお兄ちゃんは、椅子の上でへにゃりと小さく縮こまって体育座りをした。
「……和花。お兄ちゃん、ほんとはわかってんだよ。わかってんだよ……?」
足に顔を埋めながらぼそぼそと話し出す。
「でもな? 心が拒否してくるんだよ。みのるくんのときだって、現実の人間じゃなくてよかったって、そんなこと思っちゃってたんだよ」
……そうだったんだ。
前までなら、みのるくんへの好意を馬鹿にされたって怒ってただろうな。
でも今はもう、わたしに振り向いてくれる、大切な人に上書きされている。



