キミは当て馬、わたしはモブ。



 あーーー、違うの。乙女ゲームなんてしないの。深夜アニメなんて見てないの……。休日引き込もって絵描いたりしてないの……!


 流行に敏感なただの女子高生でありたいのに……。



「だから、俺がアカネさんに近づくのは嫌なんですね」


「……。そうだよ」



 もういいよ、隠さないであげる。帝塚くんには特別。


 まぁどうせ帝塚くんにはこんなこと話せる友達なんていないだろうし。そもそも、わたしのこともそんなに知らないだろうから、これが隠し事だってこともわからないだろう。


 バレたのが帝塚くんでまだ良かったのかも。



「でも、あれだよ。別に、邪魔しようとかそんなことは考えないから」


「え? どうしてですか?」


「どっ、どうして……? 邪魔してほしいの?」



 なっ、なに? ほんとにこの男、全然掴めないんだけど。



「いや。嫌なら邪魔してきてもかまいませんよ」


「いいの、しないの! 妄想の中だけでありたいの!」


「そういうものですか」


「そういうものです!」



 二人には自然体であってほしい。そこにわたしが勝手に萌えてるだけなんだから。


 わたしが物語の中に手を加えるわけにはいかない。


 帝塚くんは値踏みするようにわたしを見て、一人で深く頷く。



「じゃあ、俺はアカネさんに告白しようと思います」


「んぇっ!?」



 爆弾発言に、どこから出したのかわからないような声が出た。