キミは当て馬、わたしはモブ。



 もうわたしはいちいち過剰反応するのをやめにして、心を無に保つことを決めた。


 後三つ……後三つ……。耐えれば勝ち……。


 何と勝負してるかは自分でもわからない。ただこのままだと、終わったときにどっと疲れが溢れだすこと間違いなしなのだ。



「第三位」



 急にランキング形式にしてきた。なんで?


 おっと、ツッコミもやめよう……瞑想……マインドフルネス……。



「あまり恋愛に慣れていないところ」



 無心……ですけど?


 だから帝塚くんになんて一ミリも意識を向けてないけど、彼はわたしを見つめながら優しい笑みを浮かべている。


 気がする。気がするだけ。帝塚くんのことなんて全然見てないから。


 ていうかそんなことも思ってない。無心だから。



「聞きたくねぇ!!」



 お兄ちゃんの心底冷えきった声が聞こえた。なんとなく、耳を塞いでいる気がする。


 わたしも聞きたくない。聞いてないけど。



「すぐに顔を赤くするところがとても可愛らしいですよお兄さん!」


「知るかーーーっ!!!」


「俺にしか見せない顔ですよお兄さん!」


「そっ、そんなはずないもんっ!」



 お兄ちゃんに対抗するためか、帝塚くんは大声をあげて耳塞ぎを貫通させる。


 圧倒的に押されて涙目になるお兄ちゃんであった。