キミは当て馬、わたしはモブ。




「ほぁ……!」



 アカネちゃんの可愛らしい感嘆の声がして目を向けると、キラキラした瞳で口元に両手を当てていた。



「す、すごい……! なんか、恋愛上級者みたいだね!」



 ……そうなのかな?


 そんなこと言われても、わたしは恋愛経験なんて全然ないけど。



「あ、あたしも、今ちょっとだけ頑張ってるんだ。いつか、あたしから優斗を起こせるようになれるように……」



 頬を真っ赤にして話すアカネちゃん。


 わ、わたしの知らない間に、推しカプが進展しようとしている……!?


 久々に推しカプ成分を摂取できて、脳から幸福物質がドバドバと溢れ出てくる。


 この胸の高鳴りは、帝塚くんに対してとは全然違う。


 推しカプでしか発生しない喜び……っ!



「が、頑張って! 頑張ろうね!」



 わたしはアカネちゃんの手を両手で包み込んで、力いっぱい鼓舞する。


 恋なんて、成就することのないものだと思ってた。


 好きな人は振り向いてくれないし、現実の推しカプなんてただの妄想だし。


 でも、その考えが、段々と覆されていく。


 わたし……好きなもの、好きなままでいいんだ!