キミは当て馬、わたしはモブ。



 帝塚くんは鈍感なのか煽り耐性があるだけなのか、顔色ひとつ変えないで反応を返してくる。



「意味は知っていましたよ。二つのものを一つに結合する、とか。他にもありますけど、キミの使い方には違和感があったんです」



 ……帝塚くんはニュアンスって言葉をご存じでない? そういう空気読みが社会には必要だよ?



「でも調べて納得しました。あれは二人がカップルであるというのが好き、という意味だったんですね」



 わかるでしょ、なんとなく。ていうかわかって。解説しないで。



「ですがひとつ言わせてもらいますと……」



 いや、何も言わないでほしい……。


 こっちはずっと隠してきたわたしだけの嗜好を自らばらした上、真面目に解説されるという羞恥プレイを受けているんだよ。



「中村とアカネさんは別にカップルではないですよね?」


「もー! わかってるよそれくらい! 調べてきたんだったらそこまで理解してよ!」


「妄想の中だけのカップルなんですよね?」


「わかってるならいちいちつつかないで!?」



 顔が焼けるように熱い。


 帝塚くんがこのことについて馬鹿にする気はないのは伝わるけど、こっちは知られただけで大火傷なんだから!


 あぁもう、わたしはごくごく普通の女子高生なのに!


 イケメンにキャッキャして!(イケメンすぎるのは好みではない)


 話題のドラマを見て!(SNSの感想だけ見て情報収集してるだけ)


 タピオカ飲んで!(これは美味しい)


 乙女ゲームをして!


 ……。


 ……最後のは違う!