キミは当て馬、わたしはモブ。



 学校に着いて早々、下駄箱で上靴と運動靴の上下の位置が入れ替わっている、という地味~な嫌がらせをかわす。


 その後すぐに昇降口の出入口から帝塚くんの姿が見えてくると、横から柊さんが現れてベッと舌を出し消えていった。


 相変わらずあの人は何をしたいんだか。


 帝塚くんの人気爆発も本当に一時的なもので、まだ執着しているのは彼女ぐらいなものだった。


 いや、むしろわたしが執着されてるのか?



「……佐久良。おはようございます」


「うん……おはよ」



 わたしのことを見て嬉しそうに頬を緩ませる帝塚くん。


 視線もなんだか熱っぽい気がして、どんどん恥ずかしさが溜まっていく。うまく目が合わせられなくて、肩にかけた鞄を握り直した。


 恥ずかしいんだけど、嬉しい。


 そりゃあさっきの柊さんなんて一瞬で頭の中から消えていくくらい。



「佐久良、俺、昨日のことで思い付いたことがあるんです。佐久良の家にはパソコンはありますか?」


「う、うん、あるけど。お兄ちゃんの部屋にだけ……」


「では、会場は佐久良の家にしましょう。お兄さんからお時間をいただける日程を確認してもらってもいいですか?」


「う、え、わかった……」



 そう言った帝塚くんの目は、やる気に満ち溢れていた。


 頭の中で何かの構想を練っているのか、時折ブツブツ呟いて歩いている。


 そんなところにもときめいているわたし……末期だ。