キミは当て馬、わたしはモブ。




「和花ちゃん、今のうちに!」



 アカネちゃんの声に、わたしは強く頷いて自身に組み付く手下達に訴える。


 彼女達は自分の意思でわたしに嫌がらせをしてるわけじゃない。


 だったら。



「お願い、離してくれないかな」



 彼女達は戸惑いの表情で柊さんとわたしを見比べている。


 柊さんは手下を睨み付け、決して離すことのないように命令しているのがわかる。



「本当はこんなことしたくないんだよね? 柊さんは怖いかもしれないけど、ただのわがままに付き合うことないよ」



 クラス内での柊さんは、権力がある人かもしれない。


 だとしても、本質はただのクラスメートだ。


 彼女の言うことを聞く道理はないし、嫌われて困るような相手だろうか?



「えっと……」


「でも……」



 彼女達はまだ柊さんのことを気にしていた。


 ここで離してしまえば、後でどうなるかわからないからだろう。


 だけどそんなこと、わたしには関係ないのだ。



「……離して?」



 一言、微笑みながら言えば、体はするりと自由になった。



「ご……ごめんなさい、佐久良さん」


「ううん、わたしは何も怒ってないよ。でも、これからは自分の意見も大切にしてね?」


「は、はい」



 自由になったところで、始めに柊さんへ近付く。