★
放課後。帰り支度を済ませて、一直線に帝塚くんのところへ向かった。
だがしかし、視界の端から柊さんが近付いてくる!
「佐久良さぁ~ん!」
「嫌です」
「まだ何も言ってないでしょ!」
「そうやってほうきを突き出しながら来られたら、誰だって察するよ!」
「それなら話が早い! 掃除当番変わってくれない?」
「嫌ですよ!?」
この人ポジティブすぎない?
お互いにはぁはぁと息を切らして睨み合う。
隙を見つけて走ってやろうと思っていたら――急に後ろから複数人に組みつかれた。
「ちょっ、な、何!?」
柊さんの手下か!
じたばたと暴れても一対多だと歯が立たない。
ただし、彼女達はぼそぼそと小さな声で「ごめん佐久良さん……」「佐久良さんごめんなさい……」と謝ってきていた。
全部柊さんのせいじゃん! 権力で人を雇うな!
まさかこんな物理で封じ込められるなんて思ってなかった。
帝塚くんは!? 何やってんの、早く助けてよ――って、女子に囲まれて目隠しされてる!
くっ……柊さんめ、どれだけ用意周到なんだ。
先生はただじゃれてるだけだと思ってるだろうし、他のクラスメートは無関心にそそくさと帰っていく。
妨害の仕方があまりにも雑すぎるんですけど!



