キミは当て馬、わたしはモブ。




「でも、なんでそれにわたしが関わってくるの?」



 今のところ、わたしに取り巻きからの接触はない。


 わたしに原因の一端があるっていうなら、わたしに矛先が向きそうにも思うけどな。



「あ、それは……そのときの話題が佐久良さんだったからだよ」


「……? どういうこと?」


「帝塚くんは佐久良さんの話をして笑ってたんだよ」


「えっ」



 そう、なんだ。


 帝塚くんのことを横目で見れば、取り巻きの対応に追われるばかりで、こっちに気付く気配すらない。


 ……もし、今あの中にわたしが入ったら、わたしのこと優先してくれるかな。


 それとも、平等に順番を大切にする?


 わたしのこと、特別だって言うんならさ……。


 ――そのとき、不意に顔を上げた帝塚くんとバチっと目が合った。



「あ……」



 どうしよう。


 足がすくんで動けない。


 わたし、いつも帝塚くんの方から来てもらってる気がする。


 今まで彼の好意に甘えてきたから、こういうときにどうするべきかすぐに判断ができない。


 前までなら、どうでもいいって思ってただろうけど。


 素直にならなくちゃ。