キミは当て馬、わたしはモブ。



 ゆらりと現れた中村くんは、なぜか顔を疲れさせていた。


 げっそりという表現がとても似合う。



「あ、優斗。どこ行ってたの?」


「佐久良さん」



 アカネちゃんの声かけを無視して、中村くんはわたしの肩を掴む。


 顔の圧がすごい。



「早く帝塚くんと付き合って」


「……えっ!?」



 な、なんで!?


 中村くんには、わたしの気持ちは教えてないはず……!


 ちらりとアカネちゃんを見るも、彼女は言ってませんと首を横にぶんぶんと振っている。


 じゃ、じゃあわかりやすいくらいわたしがだだ漏れだってこと?


 な、なんか恥ずかしいな……。



「帝塚くんがあんなことになってるのは、佐久良さんのせいなんだ」


「わ、わたしのせい……?」


「いや、まぁ厳密に言うと佐久良さんのことを考える帝塚くんのせいなんだけど……」



 意味がわからない。


 わたしが困惑し、アカネちゃんが無視されたことにむくれ始めると、中村くんはハッと我に返って肩の手を下ろす。



「あ、えっと……今まで僕、(ひいらぎ)さんと話してたんだけど」



 そして何があったかを話してくれた。