キミは当て馬、わたしはモブ。



 落ち着いて、わたし。


 いつも通りに。帝塚くんに対しての態度は、優しさ三割、厳しさ七割。



「そ、そ、それは、帝塚くんがわたしを巻き込んできたからじゃん」


「それでも、キミに話しかけたからアカネさんに告白しようと思いましたし、キミが話を聞いてくれたから諦めませんでした」


「結果論でしょ? 別に、わたしじゃなくても帝塚くんは……」


「いえ。さっきも言いました、佐久良だったからです」



 なんでこの人、こんなに自信満々なの!? 反論の隙を与えてくれないんだけど!


 顔の熱が全然逃げてくれなくて、心臓の音が飛び出しそうなくらいうるさい。


 鳴るな、心臓。


 鳴らないでよ。


 この音のせいでますます意識しちゃうんだよ。



「佐久良の、俺の人として欠けている部分を指摘してくれるところが……」


「もういいっ!」



 もうわたしは充分キャパオーバーだ。


 これ以上詰め込まないでほしい。



「あ、でもまだ……」


「いいから黙れっ、ばかっ!」



 ついにわたしは逃げ出してしまった。両手に帝塚くん宛のラブレターを抱えて。


 最後に一度帝塚くんの顔を見れば、その表情は少し――


 少し、アカネちゃんに告白した帰り道のときに似ていた。