「陸斗ー!陸斗どこー!?」
4月。
春が訪れる季節。
今日も店が終わり、アタシは家に帰った。
……って言っても、相変わらず陸斗の家なんだけど。
「陸斗ー!どこいったのよー…。」
夜なのにテンションが高めのアタシは、帰ってくるなり陸斗の姿を探してる。
なのに陸斗はどこにもいない。
「もぅ…どこいったのよ…。」
そうアタシがため息をついた時だった。
「おい、うららー!」
玄関の扉が荒々しく開けられて姿を表したのは…
「陸斗!?」
アタシが探してた陸斗だった。
「うらら!?」
どうやら陸斗もアタシを探してたらしく…
一旦停止したアタシ達は、一気に口を開いた。
「アタシ、ナンバーワンになった!!」
「俺、ナンバーワンになった!!」
声の被ったアタシ達は…
「「え?本当に!?」」…と、また声を被らせると顔を合わせて笑った。
幸せな時間…。
多分、陸斗が傍にいる限り…永遠に続いて行く気がするよ。
「約束…守ったよ。」
「俺も。」
陸斗はそう言うとアタシを引き寄せて、軽く触れるだけのキスをした。
「ぷ…顔真っ赤。」
「うるせーよ…お前もだろ。」
アタシが陸斗を指さして笑うと、陸斗もアタシを指差した。
「んじゃ、今度の約束は…自分の店持つことだな!」
「え!?マジで言ってんの?」
「おぅ!」
陸斗がそういったのと同時にできてしまった今度の約束。