陸斗は腕を更に引っ張ると、アタシの手をぎゅっと握った。



それに続くかのように先生がお母さんに近づいた。



そして、先生はお母さんの目をライトで照らし、腕時計を確認するとアタシの目を見て言った。



「11時45分。残念ですが…御臨終です。」



医者の言った言葉が耳に突き刺さる。



アタシはそれが理解できなかった。



いや、理解しようとしなかったんだ。