目の前で起きている光景が現実とは思えなくて… アタシの涙も声も出やしない。 隣にいる陸斗も、同じような様子だった。 アタシが呆然と立ち尽くしていると、いきなり腕を引っ張られた。 その反動で、アタシはお母さんのベッドへと近づく。 「お母さんの名前、呼んであげて下さい!」 「え…?」 何かと思い顔を上げれば、アタシの腕を掴んだらしき看護師さんだった。