俺の計算された表情に、コロリと騙された千尋は何ともなかったかのようにまた笑い出す。 親に捨てられた俺に、新しい世界を見せたのがこの仕事だった。 ホストの仕事をするうちに、人間の心理が読めるようになった俺。 唯一、親に捨てられた俺が、自然に笑える場所。 それが、うららのいる場所だったんだ…。 うららの前だと、計算なしに笑える… それが、俺はうれしかったんだ…。