俺はエレベーターから出ると同時にうららの手を指差した。
「だって…うららが嘘つく時って、必ずと言っていいほど手で口を押さえるだろ?」
「えぇ…!?そうだったの?」
さっきから百面相を繰り返すうららの表情はまた変わる。
「バーカ♪」
「バ…バカ!?」
意地悪っぽく笑った俺は、またうららの手を引いて歩く。
なんか…
この手をずっと握っててやりたいって思ったんだ…。
うららの存在が…
いつの間にか、俺の居る場所へと代わっていたから。
うららの傍が、凄い…
俺にとって、昔から居心地がよかったから。
メニュー