「ッッ……。」 うららの腕を引っ張って歩く、冷たいコンクリートの上。 啓斗さんの家を出た俺達は、マンションのエレベーターへと向かっていた。 さっきから、うららの泣き声と俺達の足音だけが響いてる。 「ッッ…陸…陸斗…。」 「………ん?」 「あり…がと…。」 うららの出した声は小さくて聞こえずらかったけど… ちゃんと俺の耳には響いていた。