じいやと逃げる宝石


元通り、動かなくなった宝石を優しく抱え込み、じいやは来た道を戻りました。

「急げ急げ…姫様が待ちくたびれている」

お城に着くころにはすっかり日がくれていました。
大きな門の前に、お姫様が立っています。

じいやに気づくと一直線に走ってきました。

「じいや、わたしの宝石はどこ?」
「姫様の宝石はこちらにありますとも」

じいやは手に持っていた宝石をお姫様に手渡しました。