「王女様の生きていたころはよかった…ボクを大切にしてくれていたから。だけどお姫様はボクを一度も磨いてくれないし、寝るときなんてテーブルの上に置きっぱなしさ。きっとボクがいなくなっても平気なんだよ」

宝石は悲しそうにそう言いました。

「そんなことはないとも。姫様は大切なおまえがいなくなって、とても悲しんでいたよ」
「そんなのウソだよ。ボクは信じない」

宝石はかたくなにそう言います。