「こいつらももう、体が大きくなったな」


「もう売れ残りだ、動物管理センターに引き渡そう」


「そのあとは、どうなるか知らないがな」


「ペットショップなんて体が小さなものが売れてなんぼだからな」


「まあ、ビジネスですからね」


狭いケージのなかにいる僕らをみてペット屋さんの人たちは言う


トラックの音が聞こえる


「そろそろ、管理センターに連れていこう」


トラックが店の前に止まる


僕らはこれからどうなるんだろう


管理センターに連れていかれたあとはどうなるんだろう


先行きの見えない不安で押し潰されそうになる


隣にいた子が鳴いた


きっと、なにがなんだかわからなくて怖くて泣いてるんだ


僕らはトラックに積み込まれる


ガタンガタンと揺れるトラックの中で僕らは怯えていた


暗い…寒い…おなかすいた


誰も僕らを飼ってくれなかった


「さあ、ついたぞ」


ペット屋さんの一人がトラックのリアドアをあける


「さあ、みんなでてこい」


不安そうな顔をした人間たちがずらずらと管理センターに足を運んでいく


それを横で監視している数匹の犬猫


「俺たち動物も進化したよな」


「ああ、人間をペットにできる日がくるなんてな」


ここは、動物が人間を支配する未来