「奈緒!!!」 私は無我夢中で、転がるように落ちて行く奈緒に駆け寄る! 運良く奈緒は、屋上の手すりに引っかかって止まった。 しかし全身を強く打っているのか、気を失っていた。 「くそっ…」 助かるはずだった努力が無駄になったこと、これで人生が終わりかという絶望感、そして奈緒との結婚… 全てが水の泡になるのを感じ、悔しくて涙が溢れた。