(何か、掴むものは…)


周りを見回したが、掴めるような物は見当たらない。

あるとしたら、あと5mぐらい先にあるドアのノブぐらいだ。


(もう少し、もう少しだ…)

這うようにして地面を進んだ。


あと3m…

2m…

1m…


徐々にドアとの距離が縮まってゆく。

(よし!あと一息…)

次の一歩を踏み出そうとしたときだった。