(ヤバい!!)

私は本能的に危機を感じた!


「奈緒!」

「し、進也君…」

見ると、奈緒は膝を震わせながら半泣きになっている。

怖がりの奈緒のことだから、このままでは恐怖で座り込んでしまうだろう…


そうなる前に!

「走るぞ!」

奈緒の手を掴み、屋上に出る時に使った扉に向かって走り出した。