「おいおい。
何処へ連れていく気だ?」

「答えはこっちにあるのよ!」


奈緒は、階段の前まで私を連れてきた。

階段には『ここよりラウンジ』と、プレートが貼ってある。

「あ、なるほど…」

私は、やっと奈緒の考えが読めた。



………



「わぁ、きれい…」


流石に50階建てビルの屋上だけあって、ここからの眺めは絶景だ。

美しい夕日に照らされた私達の影が、誰も居ないフロアに長く伸びて、二人だけのムードを演出していた。