「別に俺だけでよくね?彼氏」 「……へ?」 私はこれでもかっていうくらい目を見開いた。 そのまま一時停止。 周りで騒ぐ高校生の声も、一瞬で遠くなる。 今、真琴、なんて言った…? 目の前のチンピラが、真剣な顔をしている。 俺だけでってそれって……。 大きく瞬きをすると、真琴が合間合間に見える。 それってフリじゃなくて、本当に付き合うってこと…? 私がしばらくの間固まっていると真琴はポテトの箱をボコッと潰した。 その音でハッと我に返る。