主人公って…。 「あ、もちろん名前は違うし…実話に基づいたフィクションみたいな?」 由香はあたしの顔を覗きながら付け足した。 もちろん、撮影に着いてくるのは構わない。 漫画の主人公にされるのも構わない。 だけど、由香の話すスピードにあたしの頭が着いて行けそうになかった。 「おーい?アリス〜?」 目の前で手を振る由香。 だけどあたしは、しばらくの間由香に返事ができないでいた。