「ったく、それ買うのにどれだけ勇気がいったか……。」 そう呟いた李斗に、首を傾げる。 バラの花束を見つめた。 「何でバラの花束なんかくれたの?」 「なんでって…お前この前バラの花束がどうとか呟いてただろ?」 記憶を少し探って思い出す。 そういえば、そんな事言ってたかも? 「いい匂いだなぁ…李斗、ありがと!すっごい嬉しい!!」 何が嬉しかったって。 花束を貰えた事も、もちろんそうだけど。 李斗がそんな些細なあたしの言葉を、覚えてくれてた事が1番嬉しかった。