そのことで、お兄ちゃんの事と現実を、見立てていた自分に気付いた。 「だからもう、お前は強がんなくていいんだよ。」 強がらなくていい。 きっとあたしはずっと、この言葉を探していた。 誰かが『もう強がらなくていいよ』って、言ってくれるのを待っていた。 だけど、誰も気付いてはくれなくて。 望みと現実の間で溺れていた。 暗闇から抜け出せないでいた。