「あたし、お姫様なんだもん。お姫サマだっこがいい。」



もう一度繰り返して、両手を李斗に伸ばす。


李斗は少し笑って、あたしに手を伸ばした。


その瞬間。


いきなり力強く掴まれて、空が一回転したと思ったら…


体が宙に浮いて、李斗の腕の中。



「はいはい。ワガママなお姫サマ☆」



そう言った李斗に、鼻血を出しそうになったけど。


すでに体は限界だったらしく。


少し揺れる李斗の腕の中。


安心する香水の匂いに包まれて、あたしは意識を手放した。